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*くろちゃんねる要素あり。
「おい……、おいっ!大丈夫かフリ!起きろ!」
体を揺さぶられて、少年―――降旗はハッと目を覚ました。
ガバリと勢いよく起き上がる。何が起こったんだと周りを見回せば、自分を窺うように屈んでいる少年と目が合った。
「あ……火神?」
名を呼ぶと、自分を揺さぶっていた少年―――火神がホッとしたように息を吐く。
「良かった……。中々目覚まさないからすげぇ心配した」
どうやら暫くの間自分は気を失っていたらしい。
何があったんだったかと思い返して、降旗は漸くあれ?と周りを見まわした。
「何、ここ……」
半ば茫然とそう呟いて火神の顔を見つめると、火神も困ったような顔で首を振るだけだった。
今降旗達はアスレチックの遊具のような、屋根がついている小さな小屋に座っていた。
自分の知る限りこのような遊具が置いてあるような場所は記憶にない。
そこは小さな公園らしかった。砂場とブランコが置いてあるだけのそれは、公園というよりはまるで小さな運動場のようだな
と降旗は思った。
「あ?気がついたのか?」
何処からか耳慣れない声が聞こえて、降旗はビクリと身を強張らせた。
それに釣られるように何故か火神も「うぉ……!」と声を上げる。
「おいおい、なんでお前がビビってんだよ火神」
「う、うるせぇよ!こんな変なとこに来ちまったんだぞ!色々過敏になるだろ!!」
ひょこりと屋根の上から顔を出したのは、色黒で髪の青い少年―――青峰だった。
火神の態度に呆れたように一つため息をつくと、屋根の上から小屋の横に伸びている雲梯に足を降ろし、その間からするりと
体を滑らせて地面へと降り立った。
火神と青峰、二人ともまだ少年と言える年ではあるが如何せん上背がある。
「ここはちょっと狭い」からと、とりあえずブランコのある方へと移動することにした。
随分薄暗い所だなと思っていたのだが偶々いたあの遊具が木々のせいで日陰になっていただけのようだ。日の当たる所まで
出るとそうでもなかった。
だがどんなに良い天気で空が雲一つない晴天だというのは、降旗達にとってはとてもおかしなことだった。
「そんなに何時間も眠ってたような感じはないんだけど……」
「あぁ、俺もだ。どうなってんだか……」
「てかもうこれは考えるまでもねぇだろ」
青峰の言葉に、火神がうっと押し黙る。
降旗だって青峰が何が言いたいのかわかっていた。けれど……出来ることならば、やはり認めたくはない。
「だって、ホラーって書いてたし」
はぁとため息を吐く降旗に、火神と青峰も表情を強張らせる。
火神はわかっていたことだが、青峰もそんなに怖いモノが得意というわけでもないらしかった。
一度黒子から、あの人には初対面の時に幽霊だと思われて悲鳴を上げられました、と聞いたことがある。
―――そう、黒子。そもそも自分達がここにいるきっかけこそが、その黒子なのだ。
「黒子も、この中にいるのかな」
降旗がそうボソッと呟くと、青峰は「多分な」と頷いた。
「もしかしたら他に来てる奴もいるかもしれねぇ。あのURLお前のとこにも来てたんだろ?」
青峰がそう問いかけたのは、降旗にだった。
黒子からのスカイプ着信に気付き、URLの存在を火神に伝えたのは降旗だったが、あの後終電間際の電車で向かった火神の家で
そのURLを開いたのは火神のパソコンでだった。
話を聞いた後、自分にも黒子から何か来ているのではと火神がパソコンを開いた途端、チャットが受信されたらしい。
「お前のとこには来てなかったのかよ」
火神がそう問えば、青峰はわからないと首を振った。
「俺はお前の電話が気になってあれから割とすぐ家出たし。俺ガラケーだからスカイプとか使えねぇしな」
そう言って青峰が尻ポケットから取りだしたのは、青色の折り畳み式の携帯電話だった。
確かに自分のものであるそれは、入れた覚えもないのに何故か尻ポケットに入っていたのだ。
他の二人にもそれは言えることで、どうやらそういう仕組みになっているらしいと半ば無理やり納得した。
もうこの場に居る時点で言ってしまえばおかしなことなのだ。これに不可解なことが二つ三つ重なった所で、これはそんなもん
なんだと思わないとやってられない。
「あ、黒子もこの中にいるなら、今なら着信繋がるんじゃない?」
「いや、そう思ってやってみたけど、繋がらなかった。メールも届かねぇ」
眉をしかめて火神が首を振った。
黒子にも、勿論先輩や家族にも電話を掛けてみたが、どれも一切通じなかった。メールもまたしかりだ。
期待半分ではあったものの、落胆の色は隠せない。
暫くお互いに黙りこむ。でもここまでくればもう、腹を括るしかなかった。
「行くか」
火神の言葉に、降旗も青峰も頷く。
ここでじっとしていても始まらない。黒子と連絡が取れない以上、探し出すしか方法はないのだ。
覚悟を決め3人で公園を出る。
右と左に道が分かれていたので、とりあえず降旗は「二人が行きたいと思うところに進んでくれ」と言った。
どうすればいいのかわからない以上、本能や嗅覚と言ったものに優れているらしい二人に任せた方が懸命だと降旗は思ったのだ。
別に異論もなく左を選び自分の前を歩きだす二人の背中を見ながら、やはり大きいなぁと感じる。
背丈が大きく体ががっしりとしてるのもあるが、同い年とは思えないほどの頼りがいが二人にはあった。
そしてそんな二人と対等に肩を並べ歩いている黒子を、降旗は尊敬していた。自分よりも小さく細いあの肩に、何度思いを
託したか知れない。
絶対に助けたかった。今頃1人怖い思いをしているかも知れない友人を思い、ぎゅっと拳を握る。
「にゃおん」
と、その時猫の鳴く声がした。
降旗はその声に―――
というより、その猫の声にビビって声を上げた、前を歩くでかい男二人の声にビビった。
「うわあああああ!!」と声を上げた二人に双方からピタリとくっつかれて、降旗はアハハと乾いた笑いを洩らす。
いつだったか黒子が『降旗君あの二人のことなんかすごいって思ってるかも知れませんけど、実際はただのでっかい子供
ですよ?』と言っていたのを思い出した。
……ちょっと、なんかわかったかも、うん。
ここで黒子のマネをするなら「うるさいですよ二人とも。ただの猫です」と冷静にツッコミをいれるのが正しいのだろうか。
けれど降旗にそれは出来なかった。勿論降旗自身多少なりとも猫の声にビビったということもあるが。
「……っ」
ソレは、猫ではなかった。思わず息をのんで、そいつをじっと見つめる。
二人が同じ方向を見つめ「なんだ猫か」「驚かせるなよ」とため息を吐いている中、降旗はそこに二人とは違うものを見ていた。
「フリ?」
じっとその猫を見つめる降旗に、火神が訝しげに声をかける。
(男の子……)
降旗が見ていたものは、小さな男の子だった。
年は小学校に上がってるか上がってないかぐらい。Tシャツに短パンの、どこにでもいそうな子供である。
その男の子の口が、静かに開いた。
―――鬼に、気をつけて。
「え……」
男の子はそれだけ言うとクルリと踵を返し、足音も立てずに走って行った。
思わず追いかけた降旗の後を、二人が戸惑いながらその後に続く。
後を追い曲がり道を右に曲がった先に、もう男の子の姿はなかった。
「おいフリ、どうしたんだよ」
「あの猫なんかあんのか」
降旗は後ろの二人を振り返った。
やはり猫にしか見えていなかった様子の彼らに、真実を伝えるべきか迷う。
言っても怖がらせるだろうし黙っていた方がいいかとなんでもないと首を振ろうとした矢先、二人が口を開いた。
「なんだ、降旗だっけ?いらねぇこと考えなくていいから何があったのか教えろ。わかんねぇと余計怖い」
「話してくれフリ。今はどんなことでも知っときたい」
二人の言葉に降旗は開こうとした口を噤んだ。
わからないと余計に怖いと青峰は言った。それは確かに一理あると思う。
それにあの言葉―――あれは、警告だ。ならやはり、ちゃんと伝えておくべきかもしれない。
真剣な目でこちらを見やる二人に、それでも少しばかり言いにくげに降旗は口を開いた。
「男の子が……」
「男の子?」
「……って、もしかしてあの猫お前にはそう見えてたのか?」
青峰と火神は、猫の後を追って走り出した降旗の姿を思い出す。
あれは降旗の視点では、猫ではなく男の子を追っていたのかと二人は納得した。
「『鬼に気をつけて』……って」
鬼……と青峰と火神二人同時に呟く。
男の子の言う鬼が一体何かはわからなかったが、気をつけてと言われたということは良いモノではないのだろう。きっと。
この世界が現実の世界ではなく、ゲームの世界だと言うことを考えれば何が出て来てもおかしくはない。
URLから飛んだゲームのダウンロードページ。そこに幾つか見本で乗せられていたグラフィック映像の中にそれらしきものは
なかったが、ページ自体が醸し出す雰囲気はまさしくホラー物というそれだった。
しかし何故降旗にだけ男の子の姿に見えたのだろうか。
そういう仕様もあるのかと青峰が首を傾げると、降旗が「わからないけど」と口を開いた。
「あの子の声……電話で聞こえたあの声に似てた気がする」
黒子に電話を掛けた際、途切れ途切れに聞こえてきた助けを求めるような声。
電話で聞いた時はもう少し低いものだったのだけれど、何と言えばいいのだろう……波長というか色というか、何か同じものを
感じたのだ。
疎い説明ながら降旗がそう言うと、二人は一つ頷いて「わかった」と言っただけだった。
「フリがそう思うならそうなんだろ」
「じゃああいつが俺らをここへ放り込んだ幽霊って奴かも知れないわけだ」
降旗から既に電話の件を聞き及んでいた二人は、特に驚くこともなくあっさりとそれを受け入れた。
もしかしたら黒子は何かの霊現象に巻き込まれているのかも知れないと降旗が言った時は流石に信じ難かったが、実際もう
自分達は人に説明しようがない自体に巻き込まれているのだ。
ここで降旗を疑う方がおかしな話だと二人は思う。
「とりあえず進むか」
今は何を考えていても答えが出ることはないだろう。
男の子の言っていた鬼には一応気をつけるとして、また火神と青峰が前に出て歩きだした。降旗もその後に続く。
何も言わずとも男の子が曲がった道をそのまま進んだ。
その道は途中まではそこそこ広かったのだが、程なくして急激に道幅が狭まった。
人1人がかろうじて歩けるような所だ。
急勾配の下り坂になったこともあって、3人は歩調を緩めてそろそろと進んでいく。
「なんかすげぇ……山開きましたみたいなとこだな」
青峰の言葉に降旗は少し苦笑した。
言いたいことはわかるのだが、その言い方はどうなんだろうか。
脇から通路にはみ出る木々を避けながらその坂を下りきると、少し開けた場所に出た。
車が一台通る分には支障のないほどの広さの道路が、左右に続いている。
目の前は何かの倉庫。左斜め前にはまた結構急な下り坂が続いていた。
「なぁ、倉庫の扉開いてんだけど」
そう火神が指を指した所を見ると、確かに倉庫に付けられたドアノブのついた扉が少しだけ開いていた。
倉庫が結構大きいのでなんだかその扉がえらく小さく感じる。
裏門というか通用門というか、そんな感じの扉だ。
「人がいるんじゃねぇか?」
火神がそう言いながらその倉庫に近づくと―――それを青峰が「待て」と制した。
「俺が行く。お前らちょっと離れてろ」
青峰がどことなく険しい顔でそう言うと、二人を後ろに下がらせてそのドアノブに手を掛けた。
ギィ……とゆっくりと青峰が扉を開き中を―――
「うお……っ!?―――っ!!!!!」
青峰は倉庫の中を少しだけ覗いた途端、バッと後ろに飛びずさった。
そのまま二人に「走れ!!!!」と叫ぶと右方向に向かって全力で走りだす。
訳がわからないながらも二人は青峰の剣幕に押され勢いよく走りだした。
それと同時に、倉庫の中から何かが出てくる。
それを見た二人は一様に「うわあああああっ!!!!」と叫び声を上げた。
「なんだよアレ!!!!なんなんだよ!!!!」
「俺が知るか!!!!とにかく走れ!!!!」
「ひっ!!!!ああああああ!!!!」
後ろから追いかけてくるそれは、人の姿ではなかった。
黒く大きい瞳、裂けた口、そして全身が異様に赤く頭が体と不釣り合いに大きい。
どう見ても異形のそれだった。
「ひひぃ……っ!!あ゛がが……っ!!っぎぃが……っあ゛!!」
不明瞭な、笑い声のようにも聞こえる声を上げながら、それは追いかけてきた。
緩やかに続く下り坂を転がるようにして3人は走り続ける。
もう後ろを振り返る余裕なんてなかった。
暫くすると分かれ道に差し掛かった。
大きな十字路で、このまま真っ直ぐ伸びる道には通行止めの看板が置いてある。
右は上り坂。左は平たんに続く道。
「Turn to the left!!」
「あぁ!?わからねぇよ!?」
「左!!」
混乱しているのか英語で叫ぶ火神に青峰が聞き取れなかったのかそれともバカなのか怒鳴るように聞き返す。
だが降旗がそれだけ言うと意味を察したのか3人共大きく左に曲がった。
二車線の道路を歩行者天国のように堂々と真ん中を走る。
幸か不幸かその道を車が通ることはなかった。
そのまま闇雲に走り続け、やがて化け物の咆哮が聞こえなくなったところで徐々にスピードを緩める。
後ろを振り返るともう化け物は追ってきてはおらず、3人ともその場に立ち止まった。
まだ辺りに警戒はおいたまま、誰ともなく「なんだったんだあれ……」と茫然と呟く。
「鬼……」
降旗の言葉に、二人は降旗が男の子に言われたという言葉を思い出した。
「あれが……」
「わかんない……けど、多分……」
「……冗談キツイぜ」
部活の練習で体は鍛えているものの、上がった息は体力どうこうの問題だけではない。
心臓がバクバクと嫌な音を立てる。
驚きと恐怖、それを抱えながら全力で走るというのは中々キツイものがあった。
降旗は縁石の上に座り込むと、カタカタと震える肩に手を回し己をギュッと抱きしめた。
覚悟はしていたものの、実際あんな化け物を目にして恐怖するなという方が無理だ。
「大丈夫か、フリ」
自分も怖いだろうに気遣わしげに声を掛けて来てくれる火神に、降旗はうんと頷いて礼を言う。
傍に立って周囲を警戒するように見まわしている青峰も、時折心配そうにこちらに目を向けていた。
「俺達にはあれ、なんかすげぇ赤い化け物に見えたんだけど……」
火神の言葉に、降旗は頷いた。
「俺にもそう見えた。なんていうかアレは……幽霊とかそんなんじゃない」
化け物。あれはそう表わす他ないものだった。
何も感じなかった。幽霊ならなんとなく動くものを感じるのだが、あれにはそれが一切なかった。
作り物のような、けれどそれにしては何か……何かが引っかかる。けれど。
「ごめん……分からない」
降旗がそう言うと、火神が気にするなというように背中をポンポンと叩いた。
青峰と火神がいてくれて本当に良かったと降旗は心底思った。
だからこそ、気にかかる。
「テツ……」
青峰が小さく呟いた。火神と降旗も、一番の懸念はそこだった。
黒子は、恐らく1人だ。そんな中あの怪物とどこかで出会っていたら、そう思うと……。
「―――早く、黒子を探そう」
その為に、自分達はここまで来たのだから。
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・
・
・
298.鷹
公民館が見えた。
黒がすごく怯えてるから手繋いだ。めっちゃ手震えてる。
俺「大丈夫か?」
黒「……はい、なんとか」
俺「うし、じゃあ行くぞ」
ってことで凸る!!
299.別世界のななし
気をつけてな!
300.別世界のななし
何かいたらすぐ逃げるんだぞ!
301.別世界のななし
てかそんなに怖いのによく写メ撮るとか意気込めたなwwww
302.別世界のななし
>>301 まぁそんな軽口でも叩かなきゃやってられないんじゃないか。
303.別世界のななし
手繋いでたら逃げる時邪魔じゃない?大丈夫?
304.別世界のななし
>>303 まぁ確かに……。
305.別世界のななし
>>303 でも気休めになるならそれでいいんじゃないかな。怖いと誰かに触れてたくなる気持ちはわからんでもない。
306.別世界のななし
てか皆見事に釣られてるなwwwww面白ぇwwww
307.別世界のななし
>>306 そう思ってんならROMってな。
308.別世界のななし
>>306 わざわざ書きこむことないっしょ。
309.別世界のななし
おい一々バカに噛みつくなって。放っとけよ。
310.別世界のななし
そうだよ。今は鷹と黒の安否だけを気にするべきだ。
311.鷹
今公民館前。
黒が最初に関口君見つけたところに、奴の姿はなし。
ちょっとホッとしたwwww俺マジ会いたくないwwww
その公園になんかやぐら?的なものが建ってるんだけど、そこは後回しにしてまず建物の中から見てく。
312.別世界のななし
関口君いないのか、良かった……。
313.別世界のななし
よかったな。けど油断はするな。
314.別世界のななし
いつどこで出てくるかわかんねぇもんな。
315.別世界のななし
嫌なこと言ってやるなよ!
って思ったけど、でも実際そうだもんな……。
316.別世界のななし
やぐら?ってなんだろう。
317.別世界のななし
なんで公園にそんなもん建ってんだ?
318.別世界のななし
とりあえず中からか。
何か収穫があればいいけど。
319.鷹
公民館の扉は開いてた。
中に入った。別に荒らされてるとかはないっぽい。至って普通。
でも結構広い。一部屋ずつ回ってく。
[公民館内の写メ.jpg]
320.別世界のななし
階段があるな。二階建てか?
321.別世界のななし
公民館って何気に広いよな。会議室とかあったりして。
322.鷹
和室なう
[和室.jpg]
323.別世界のななし
おぉ和室……。
324.別世界のななし
あー和室とか怖い。
人形とかあったらヤだよな……。
325.鷹
>>324 そんな貴方に。
[人形.jpg]
326.別世界のななし
うあああああああああああ!!!!!!
327.別世界のななし
ああああああああ!!!!びびったあああああ!!!!!
328.別世界のななし
え、何!?開くの超怖いんだけど!!
なんかあんの?
329.別世界のななし
>>328 いや、別に普通の人形だよ。
ただめっちゃアップで撮ってるから……。
日本人形の顔バーン!みたいな。
もうこれ鷹の嫌がらせだろwwwww
330.別世界のななし
俺ビビりなんだからこういうのダメなんだよー……。
331.別世界のななし
>>330 なんでホラ板みてんだよwwwww
332.別世界のななし
>>330 なら見んなしwwwww
333.鷹
>>330 まぁ怖いモノみたさってあるよなwwwwww
ごめんごめんwwww偶々そこにそれっぽい人形があったからついwww
別に髪伸びてるわけでもなく、普通の日本人形だけどな。
因みに周りにぬいぐるみとかいっぱい置いてある。バザー開けそう。
でもこれ固定されてるみたいで手に持てないんだよ。
机の上に急須とか茶菓子とかもあるんだけど、それも全部持てない。
ゲーム風に言うなら、物調べしてる時にキャラが「急須が置いてある」とか言う時あんじゃん?
……っだけかよ!みたいな。そんな感じに俺ら今リアルになってる。
ってことで持ち運びの出来るアイテム探索中~。
334.別世界のななし
決まったものしか使えないんだな。
335.別世界のななし
だけかよ!ってなる時あるあるwwwww
お前それそこの皿投げて攻撃しろよ!!とかよく思うんだけどwwwww
336.別世界のななし
>>335 あるあるwwwww
337.別世界のななし
>>335 それ使えよ!wwwwてのあるよなwwww
338.別世界のななし
でも現実にそれはやっぱシュールだなぁ。
339.別世界のななし
やっぱゲームの中なんだね。
ホラゲーの序盤に出てくるアイテムってなんだ?懐中電灯とか?
340.別世界のななし
消化器とか。
341.別世界のななし
消化器だろ。
342.別世界のななし
やっぱ消化器先輩。
343.別世界のななし
消化器だな。
344.別世界のななし
>>340~343
おまえらケコ━━━━(・∀・)人(・∀・)━━━━ン
345.別世界のななし
消化器wwwwwww
346.別世界のななし
何なのその消化器推しwwwww
347.鷹
ちょwwwww消化器の人気に嫉妬wwwww
消化器あったけどやっぱ固定されてて持ちあげられなかったわwwwww
残念wwww
懐中電灯は見当たらないなー。
和室は色々調べてみたけど収穫なしでしたwwww
今移動してその隣の部屋だぜ( ゚∀゚)
あ、さっきからちょこちょこ写真上げてるけど、余裕がある時はなるだけ上げていこうと思ってる。
もしなんか見覚えあるとか知ってる場所に似てるとかいう情報があれば教えてほしい。
[和室2.jpg]
348.別世界のななし
消化器先輩が使えないだとおおおおお(((( ;゚Д゚)))
349.別世界のななし
消化器使えないとかマジクソゲーwwwwwww
350.別世界のななし
>>348、349 だからお前らいい加減消化器から離れろしwwww
351.別世界のななし
てかなんで消化器なん?wwwww
352.別世界のななし
>>351 まぁ、あれだ。ggれ。
353.別世界のななし
とりあえず見落としのないように細かく見た方がいい。
何度も行き来するのも嫌だろうし。
354.別世界のななし
和室が続くな。公民館ってそんな和室あるもん?
355.別世界のななし
>>354 あるところにはある。ここは田舎っぽいし、余計じゃないかな?
356.別世界のななし
写真上げてくれるのこっちも助かる。
俺見える人だけど今んとこ写真に何か映ってるとかはないよ。
357.別世界のななし
>>情報があれば教えて欲しい。
ならさっきみたいに地図も上げてった方がいいかもな。
358.別世界のななし
今んとこ俺には見覚えない場所ばっかだ( ´・_・`)
359.別世界のななし
>>359 俺も( ´・_・`)
360.鷹
>>357 わかった!後で残りの部分もうpするわwwww
もしなんかわかったらでいいから、そんときは情報よろしくwwww
>>353の言う通りまた調べ直しとかしたくないから結構細目に調べてはいるけど、この部屋も収穫はなし。
一階は後広い体育館ってかホールってか、そんなところがあるみたいだけど、先に二階に向かうぜwwww
361.別世界のななし
ホント情報が少なすぎだよなぁ。
ゲーム内のこともそうだけど、なんでこんな状況になっちまったのかとか全然わかってねぇじゃん?
362.別世界のななし
>>361 確かにそれは言えてるよな。
なんで黒と鷹にだけゲームがダウンロード出来たのか、ってのも不思議だ。
363.別世界のななし
他に見つけた奴いるか?
俺は何度検索掛けても出てこないんだけど。
364.別世界のななし
>>363 俺もさっきから検索してるけど全然ヒットしない。
365.別世界のななし
>>363 俺も同じなんだけど、てかゲームってマジもんなわけ?
366.別世界のななし
>>366 現に二人が見つけてこうなっちまったんだぞ。
まぁ信じられない気持ちもわからんではないけどなぁ。
俺も全然ヒットしないし。そういう都市伝説とかも見当たらない。
疑うわけではないけど……うーんって感じ……。
367.別世界のななし
そういや二人とも球技部なんだよな。
同じ球技なのか聞くの忘れてた。
368.別世界のななし
公民館に体育館とかついてんのな。
田舎の割にでかい施設だよなぁ。
369.鷹
信じられないのも無理はないと思うぜwwww
でもまぁ俺達からしてみれば、だってあったからなぁとしか答えようがないわwwww
あ、そうだ言ってなかったけ。
俺と黒部活同じで知り合いだからwwwwww
370.別世界のななし
( ゚д゚)
371.別世界のななし
( ゚д゚)
372.別世界のななし
( ゚д゚)
373.別世界のななし
( ゚д゚)
374.別世界のななし
( ゚д゚)
>>同じ部活で知り合いだからwwwwww
(゚д゚ )
( ゚д゚)え?
375.別世界のななし
お、おいいいいいいいいいいいいい!!!!
376.別世界のななし
お前えええええええええええええ鷹ああああああああああ!!!!
377.別世界のななし
もっと早く言えバカっ!!
378.別世界のななし
え、え、何!?同じ部活ってことは同じ学校の知り合いなの!?
379.別世界のななし
そういう情報大事だろうが!!
詳しく説明しろ鷹!!
380.鷹
うおwwwwwwwやべぇ俺超怒られてんだけどwwwwwごめんなさいwwwwww
やってる部活の種目が一緒ってだけで、俺と黒は同じ学校じゃないよ。
ただ都内だっていうのと、俺の部活の相棒が黒と同じ中学だったっていうことで面識があった。
感覚的には、友達の友達って感じ。
部活についてはちょっと今の段階では伏せさせてもらう。
結構全国的に強豪校って言われてるとこでどっちもスタメン張ってるから、特定避けでな。
まぁマジやばくなったら言うかもwwww
因みに部活以外の繋がりは特にない。
二人で遊んだこととかもないし。
黒がこういうフリゲーやるの好きってのも今日知った。
381.別世界のななし
学校は違う、部活だけの繋がりか。
でも面識があったっていうのはやっぱ関係ありそうだよな。
382.別世界のななし
二人ともスタメンなのか。
そういや鷹さっき明日も部活あるって言ってたな。黒はどうなんだ?
383.別世界のななし
特定されるほどの選手とかすげぇなwwwww
じゃあ練習に穴開けるのやだろうなぁ。
384.別世界のななし
>>383 お前練習とか言ってる場合じゃないだろ、下手したら命の危機だぞwwww
385.別世界のななし
>>384 いやいや草生やしてる場合じゃないから。それ洒落になんねぇって。
386.別世界のななし
でもそれでも部活のこと気に掛けるってことは、相当青春捧げてんだろ。
羨ましいわ。
387.黒
僕は明日は午後からです。鷹君は朝からあるようですが。
そうですね。僕らなりに命削ってやってます。遊びだと言われればそれまでですが、真剣に取り組んでるつもりです。
ここから無事に出られたら何よりもまた皆でその球技がしたい。だから、頑張ります。
2階探索なうなんですが、こんなものが見つかりました。結構大きいです。
[青い星印がついた薄い紙.jpg]
388.別世界のななし
お、黒!大丈夫か?あんま無理すんなよ!
389.別世界のななし
うん、うん、大丈夫きっと出られるよ。
頑張れ、俺らもついてるからな。
390.別世界のななし
くそう泣かせやがって(;д;)
俺は信じてるからな黒!頑張れ!
391.別世界のななし
漸くアイテムgetか!
でもなんだこれ、えらく薄い紙だな。
392.別世界のななし
向こうが透けて見えるな。こういうのなんていうんだっけ?
393.別世界のななし
>>392 トレーシングペーパーかな?でもこんなもん何に使うのか……。
394.別世界のななし
その☆印気になるよな。なんなんだろう。
395.別世界のななし
何かの上に重ねるとか?
396.別世界のななし
他に何か見つからなかったのか?
397.黒
2階の探索は終わりましたが、これ以外に持ち運び出来るものはありませんでした。
とりあえずこれから1階のホールに向かいます。
[2階の写メ.jpg][2階の写メ2.jpg]
398.別世界のななし
会議室か。長机のパイプ椅子とホワイトボード。
399.別世界のななし
どっちも典型的な会議室だな。
400.別世界のななし
それにしても窓の外良い天気だよなぁ。
401.別世界のななし
1階で何か収穫があればいいが……。
402.別世界のななし
あのトレーシングペーパーみたいなの何に使うんだろ。
トレーシングペーパー自体は、模写とかそういうのに使うんだっけ?
403.別世界のななし
>>402 そうだね。あれ1枚でどうこうするってことは出来ないと思う。
404.別世界のななし
じゃあ>>395の何かの上に重ねるってのが有力か。
405.別世界のななし
なぁ、黒の持ってる地図ってどんくらいの大きさなんだろう。
それに重ねたり出来ないかな。
406.別世界のななし
>>405 あ!
407.別世界のななし
>>405 おお!なるほど!
408.別世界のななし
>>405 すげぇ!多分これFAじゃね!?
409.黒
1階の探索終了しました。
特に目ぼしいものはありませんでしたね。
そして>>405さん、GJです
[地図の上にぴたりと重ねられた薄い紙.jpg]
410.別世界のななし
おおおおおおおおおおお!!!!
411.別世界のななし
でかした>>405!!
412.405
やったね!wwww(* ´艸`)
413.別世界のななし
じゃあこの☆印の場所に何かがあるってことか。
全部で5か所か…何か集める系か?
414.別世界のななし
>>413 多分そうだろうな。
でも何かあるってことは、またあの関口君が出てくるかも知れないってことだ。
心してかかった方がいいと思う。
415.別世界のななし
>>414 そっか、その可能性あるよな。
気をつけろよ!黒、鷹!
416.鷹
サンキュ!気をつける!
俺視野の広さには結構自信あるし、体力も部活のスタメンなめんなってな!鬼ごっこなら負けねぇよ?wwwww
417.黒
怖いですが、今度は鷹君がいてくれるので心強いです。
とりあえず一番近い場所から行こうかと。
何かここを出るヒントなんかがあればいいんですけど。
[地図のアップ.jpg]
418.別世界のななし
ドラゴンボール的なものがあればいいな!
419.別世界のななし
>>418 でも願い事は「ここから出たい」一択だ。
420.別世界のななし
>>419 確かにwwwww
421.別世界のななし
>>419 それ以外ねぇよなwwwww
422.別世界のななし
でもマジヒントだといいよな。
もし関口君が出るところのマッピングとかだったら……。
423.別世界のななし
>>422 だから縁起でもねぇこと言うなって!
424.別世界のななし
とにかく行ってみなきゃ何もわからん。
黒も鷹も、くれぐれも気をつけろよ!
・
・
・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それは、壁にかかっている時計の短針と長針が、ぴたりと合わさった瞬間だった。
少年の意識がフッと浮上し、パチパチと瞬きを繰り返す。
カーテンから差し込む光はなく、ぼやけた視界は未だ暗い。
眠りが深い自分がこんな中途半端な時間に起きるのは珍しいなと思いながら再び目を閉じると、枕元でピリリピリリと
着信音が鳴り響いた。
「……」
こんな時間に誰だ、と考えずとも少年の頭に二人の顔が浮かぶ。
恐らく、十中八九、というより確実にこの二人のどちらかだ。
少年はまずスマホの横に置いていたケースから眼鏡を取り出しいつもの要領の通りに掛けると、続いてスマホに手を伸ばした。
明るく光る画面を眩しさに目を細めながら確認し、通話ボタンを押す。
「全くこんな夜更け」
『緑間っちーーー!!!!良かった!!!!やっと出てくれた!!!!』
こちらの言葉を遮るように耳元で大音量で叫ばれた少年―――緑間は、反射的にスマホを耳から遠ざけ終了ボタンを押した。
なんなんだあのバカは……と通話の終えたスマホをホーム画面に戻すと、上にズラリと電話マークが入っているのを見て
ギョッとする。
開いてみれば、この約30分で着信履歴が25件。それは全て、今電話を寄こしてきた奴からのものだった。
どういうことだと緑間が眉を顰めると、またスマホが着信を知らせた。
通話ボタンを押すと、『いきなり切るなんて酷いっス!!』とまた先ほどと同じ声が喚き立てられている。
「うるさいバカめ。少し声のボリュームを下げるのだよ。今一体何時だと思っている」
『あ、そっか。やっと出てくれたから嬉しくて……』
「それからこの着信数はなんなのだよ。幾らなんでもしつこすぎるだろう」
緑間がそういうと、電話の向こうの少年は何か数秒言葉に詰まったように黙り込み、次いで『……緑間っち~……』と
酷く情けない声を上げた。
『なんか……皆と連絡が取れないんスよ~……』
「は?」
少年が言うには、掛ける相手掛ける相手全て通話中で連絡が取れないのだという。
それと自分に電話をかけてくることと何の関係があるんだと思いながら、それで?と促した。
『それで、って……なんかおかしいと思わないっスか?』
「珍しいとは思うが、偶然以外に何があると言うんだ」
『それは……そうっスけど……』
バカバカしい、と緑間はため息を吐いた。
たかだか友人が数名同じタイミングで通話中だったからと言って、こんな夜中に何十件も着信を送ってくるバカがあるか、と。
こちらは明日も朝から部活があるのだ。貴重な睡眠時間に変な手間を取らせるなと憤りを覚えた。
「切るぞ」
『あ、待って!待って緑間っち!絶対変なんスよ!なんか……なんかわかんないけど、胸騒ぎがするっていうか!』
必死に言い募ってくる少年に、緑間は終了ボタンにかけていた指を外した。
通話の向こうの声は若干涙声だ。
何をそんなに心配することがあるのかわからないが、胸騒ぎがするという彼の言葉が少し引っかかった。
彼の勘はいいほうだと思う。元チームメイトの中にそれ以上の野生の嗅覚の持ち主がいたから見劣りしがちだが、それでも
そこそこ直感力には優れていると思う。
けれどそれはそこそこのものだ。こんなに何の根拠もなく必死になれるほどのものではないはずなのだ。
「お前……何か"見た"のか」
緑間がそう言うと、通話口から息を飲むような声が聞こえた。
「……"見た"んだな」
重ねて問うと、小さく『……うん』と頷く声。
それを早く言えと緑間は姿勢を正すと、部屋の電気をつけた。
『でも、まだアレだって確信したわけじゃないっス。ただの夢かも……』
「わかっている。後、お前が何故そんなに必死なのかもわかった。少しこちらでも調べて」
ピロン
言い終わる前に、LINEの受信音が鳴る。
電話の向こうに断りを入れると、もしかして高尾からかとそれを確認した。
だがそれは高尾ではなく別の友人で―――しかし、その内容にどこか彼との既視感を覚えた。
"なぁ、お前『故郷へ』ってゲーム聞いたことある?"
「……『故郷へ』?」
それは、寝る前に高尾から送られてきたメールにもあった言葉。
途中不自然に途切れていたが、あれももしかしたらこう続くはずだったのかも知れない。
そこで緑間は、そう言えばあれからあいつからの連絡は入っていないことに気付いた。
誤送信であれなんであれ、いつもならばその後フォローの言葉が入るはずなのに。
緑間は何か連絡は来ていないかとスカイプを起動させた。
高尾からの連絡はその時々によって色んな所から入るので、もしやこちらにメッセージが飛んできてやしないかと思ったのだが。
「……ん?」
新着お知らせのマークが、二つ入っている。
一つは高尾、もう一つは―――黒子からだった。
とりあえず高尾のチャットから開く。
そこに入っていたメッセージはURLが一つ載せられているだけのものであった。
なんなんだと首を傾げ、今度は黒子からのものを。
そして何故かそのメッセージも、高尾から送られてきたものと全く一緒のURLが貼り付けられているだけだった。
「なんだこれは……」
緑間がそう呟くと、通話口から『緑間っち?』と訝しむような声が聞こえてくる。
『どうしたんスか?何かあった?』
「あぁ……高尾と黒子からスカイプメッセージが来ていた」
『え!?本当っスか!?』
「少し調べたいことがあるから一度切るぞ。また掛け直す」
そう言って通話を切ると、緑間はLINEを立ち上げて今連絡を寄こしてきた友人に通話をかけた。
この『故郷へ』というゲームに、黒子はどうかは知らないが、少なくとも高尾との繋がりはあると見ていいはずだ。
ただゲームが連絡が云々ということに関係しているとは思えないのだが、短時間のうちに聞いたことのないゲームタイトルを
二人の口から聞くというのはやはり気になった。
少しの呼び出し音の後、友人が通話に出る。
『もしもし、珍しいね電話なんて。どうした?』
「いや、さっきの『故郷へ』というゲームが気になってな。新しいやつか?」
『え?あぁ、いや……それがわかんないんだよ。今ちょっとあるスレ板で話題になっててさ。なんでも、あるか無いか
わからないとか』
「あるか無いかわからない?どういうことだ?」
『なんかちょっと、いわく付きってやつ?気になるならスレ覗いてみた方が早いと思うよ。URL送ろうか?』
「あぁ、頼む」
じゃあ送るよという友人の言葉を最後に、緑間は通話を終わらせた。
もしかして黒子と高尾から来ていたURLもこのスレのものかと思ったが、友人から届いたものを見ると長さからして全然
違うものだった。
二人から来たあのURLも気になったが、なんとなく不用意に開けるのもの気が引けて、とりあえずスレ板に目を通そうと友人から
送られたきたものを開く。
【助けて】気付けば知らない場所なう【下さい】
そう付けられたタイトルのスレは中々盛り上がっているようで、読み込むうちにスクロールバーがみるみる短くなっていく。
黒という名のスレ主が立てたその場所は、オカルト板のようだった。
適当にスレ民のやり取りを飛ばしながら主のスレに目を通していく。
その内容に緑間が言葉を失うまで、時間はかからなかった。
―――10.黒
スペック
・DK2、某球技部所属、影が薄い、バニラシェイク神、身長は標準ですが周りがバカでかいので小さく見られがちです。解せぬ。
もうこれだけで特定が出来た。
間違いない、これは黒子だ。
どうなっている……、とさらにスクロールを進めていくと、もう一人コテハンの付いた人物が登場した。
鷹と呼ばれているその男については、もうスペックに目を通すまでもない。
「……高尾」
スレに書き込まれている二人の状況を愕然としながら読み進めていくうちに、緑間はふと二人から来たスカイプメッセージのことを
思い出した。
同じURL……そのURLの行き先は、もしかして―――。
緑間はとにかくこのことを知らせなければと、スマホの着信欄の一番上の名前を選択する。
後で電話すると言っておいたからきっとワンコール目で出るだろうと思った思惑は、見事に外れた。
「……まさか、黄瀬……っあのバカめ!!」
無機質な通話音が流れるだけのそれを、緑間は苛立たしげに終わらせた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これはどういうことだとポカンと口を開けて周りを見回す。
見覚えのない……ここは、遊具があるから公園だろうか。何にせよ自分は先ほどまで自宅にいたはずだ。外に出た覚えもなければ、
靴を履いた覚えもない。
少年はその小屋のような遊具から出ると、とりあえず歩きながら可能な限り何があったかを思い出そうとした。
そう……確か自分はもう寝ようとしていたはずだ。
で、そう言えば物調べの為にパソコンを起動させっぱなしだったことを思い出して、オフモードになっていたそれを起動させた。
ついでにメールチェックでもしとこうとロックを外しデスクトップが表示されるとともに、ポヨンと右下からスカイプの
新着お知らせが顔を出したのである。
それは高校時代の後輩からのもので、こいつが電話でなくチャットを飛ばしてくるなんて珍しいなと思いながらそれを開いたのだ。
「ん……?」
チャットの内容は、ただ1つURLが貼られていただけだった。
他に何の言葉も添えられていない。
「なんだ?また自分が出た雑誌の特集ページとかか?」
少年はうんざりしたような声でそう言いながらそのURLを開く。
ブラウザで表示されたそれは、しかし少年が思っていたようなものではなかった。
黒の背景に、白い文字。幾つかの画像が貼られている中でも、一番大きいものは『故郷へ』という文字が表示された
タイトル画面のような画像。
どうやらフリーゲームのダウンロード画面のようだと思うものの、こういったゲームに触れたことのない少年は何を
どうすればいいのか全くわからなかった。
また面倒くさいもん送ってきやがって……ともうページを閉じようとマウスを動かすが、画面上のカーソルが全く移動しない。
フリーズか?と首を傾げていると、そのカーソルが一人でにスーッと動き出したのだ。
「え?」
カチリと音を立てて、ダウンロードと書かれたボタンが凹む。
何やらインストール中だの保存中だの小窓が出て来ては消えていくのを、少年は茫然と見ていた。
すると急に画面が暗くなり、フルサイズで何かの画面が表示された。
それは先ほど、ブラウザページに貼ってあったタイトル画面の画像と同じもので―――。
「なんだこれ……どうなってんだよ……」
愕然とした自分のその言葉を聞いたのを最後に、記憶は途切れていた。
何がなんだかわからないまま、少年はとりあえずその公園から出た。
きょろりと視線を巡らせるが視界に映る街並みに見覚えは微かほどもない。
少年がどうしたもんかと顔を曇らせた時、どこからか「にゃぁん」と猫の鳴き声がした。
不気味なほど静かなこの場所で突如聞こえた猫の声に肩がビクリと跳ねるが、猫はにゃんにゃんと鳴き続けている。
どこにいるんだと声の聞こえる方へ足を進めると、それは急勾配の坂を下った所にいた。
遥か上にいる少年を見上げ一つ鳴き声を上げると、そのままくるりと踵を返し山の中へと走って行ってしまう。
「あれ、追うべきか?」
まるでついてこいといわんばかりだと思ったが、果たして本当にそうなのだろうか。
少年は暫く迷ったのち、どうせどこに行けばいいのかもわからないのだから、とその猫を追うことにした。
やたら急な坂道を下ると、その先はなだらかな坂が続く。
山の中に入るのは些か抵抗があったが、道路も舗装されているし下り坂である。問題はないかとそのまま進んだ。
途中のため池のような所を横切る際、牛ガエルがもーもーと鳴いていてかなり気味が悪かった。
少し速足でそこを抜けると視界が一気に開ける。
「……本当、どこなんだよここ」
少年は困り果てたように呟きながらなだらか故か少しくねっている坂道を道のりの通り進んだ。
やがて坂道を下りきると、今度は道が左と真っ直ぐで二手に分かれている。
あの猫はどこへ行ったんだろうかと探してみるが、どこにもそれらしき姿は見えない。
すると、前方に見える橋を、誰かが渡ってくるのが見えた。
遠目からでも目立つその二人組に、少年は「え?」と目を瞬かせる。
何故ここに、と思いながらも近づいて行けば、向こうも少年に気付いたようで驚いたように目を丸くした。
「まさか、なんでお前らこんなとこに……」
少年のその問いに答えられる者は、この場にはいなかった。
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