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*くろちゃんねる要素あり。
・
・
・
430.別世界のななし
そうだやぐらか。公園にあったんだっけ。
431.鷹
そうそう。とりあえず調べとくわwwww
[やぐら全体像.jpg]
432.別世界のななし
なんか簡素なやぐらだなぁ。
433.別世界のななし
ほぼ骨組みだけなのにもう太鼓置かれてるしwwww何故wwww
434.別世界のななし
なんか太鼓が転げ落ちてきそうで怖いんだけどwwww
435.別世界のななし
調べるってことはこれ上んの?
気をつけろよー?
436.鷹
今黒が上ってるwwwwすげぇあいつ割と身軽wwwww
あ、なんか見つけたっぽい!
437.別世界のななし
やぐらの梯子って上るの何気に怖いよねwwww
438.別世界のななし
>>437 わかるwwwあれ怖いよなwww
439.別世界のななし
やぐらなんて上ったことないなぁ。
440.別世界のななし
何見つけたの?太鼓?
441.別世界のななし
>>440 太鼓wwwwめっちゃ見えとるがなwwww
442.別世界のななし
>>440 まぁ太鼓しかないように見えるけどもwwwww
443.黒
惜しいですね、正解は「太鼓のバチ」です。
とりあえず持てたので、何に使うのかはわかりませんが持っていこうと思います。
[太鼓のバチ.jpg]
444.別世界のななし
太鼓のバチwwwww何に使うんだそんなもんwwww
445.別世界のななし
でも手に取れるってことは、やっぱなんかしらのアイテムなのか。
446.別世界のななし
なんか叩くとか?太鼓を?
447.別世界のななし
>>446 うん、間違ってはいないwwww
448.別世界のななし
>>446 てかお前>>440だろwwww太鼓から離れろwwww
449.440=446
だって太鼓のバチなんだから太鼓叩くしかないじゃん?( ゚∀゚)
450.別世界のななし
>>449 まぁそうだけどwwww
451.別世界のななし
>>449 だから間違ってはないんだけどねwwwww
452.別世界のななし
まぁとりあえず持てるもんは持っとけ。
453.別世界のななし
そうだな。それがいい。やぐらとか引き返してきたくないしな。
454.別世界のななし
いきなり横やり悪い。
鷹、黒。ちょっと聞きたいことがあるんだがいいか?
455.別世界のななし
>>455 お、なんだ?
456.別世界のななし
>>455 どうした、なんか気になることあったのか?
457.黒
>>454 はい、なんでしょうか。
458.別世界のななし
正直に答えて欲しい。
黒、お前は都内SR高校の生徒、鷹はST高校の生徒で間違いないか?
459.別世界のななし
>>458 ちょ、おい特定やめろし
460.別世界のななし
>>458 気付いてもお口ミッフィーだお!
461.別世界のななし
>>458 てめぇスレ読んで来い。特定されたくねぇから球技部の名前も伏せてんだぞ。
462.緑
もし俺の思っている通りの奴らなら至急伝えたいことがある。
いきなりだがコテ付けさせてもらうぞ。
黒と同じコテの付け方だ。多分二人にならわかると思う。
それから鷹、メールを送ってくるならもう少しわかりやすく送ってくるのだよバカめ。
463.別世界のななし
え?
464.別世界のななし
え、鷹がメールって、え?
465.別世界のななし
何?知り合い?
466.別世界のななし
ちょ、マジで?二人の知り合い来た?wwwww
467.鷹
え、緑って……。緑ちゃん!?
嘘!?wwwwwwえ、マジ物!?wwwwwwなんでここわかったの!?wwwwwwww
うわあああああああああああああん緑ちゃんっ!!緑ちゃんだああああ!!!!
緑ちゃあああああああああああああああああああああん!!!!!。・+゚゚(う∀´。)つ゚゚+・。
468.別世界のななし
え!?鷹どうした!?wwwwwww
469.別世界のななし
喜びすぎだろお前wwwwww
470.別世界のななし
なんか鷹のテンションが一気にwwwww
471.別世界のななし
緑何者wwwwwwww
472.黒
驚きました。お久しぶりです、緑君。おかげで鷹君が隣でクソ煩いです。
>>471
緑君は鷹君の部活での相棒のようなものですね。
仲が良くて学校ではニコイチ扱いされてるらしいです。
僕と緑君は同じ中学でした。
それで緑君、至急伝えたいことってなんですか?
473.別世界のななし
クソ煩いwwww黒辛辣wwww
474.別世界のななし
実際も騒いでんのかwwww
どんだけ嬉しいんだよwwwww
475.緑
恐らくお前達と同じ所に青と火と黄が引っ張りこまれた。
青と火は1時間ほど前らしいが、黄はつい先ほどだ。
お前達の話しからして、引き込まれたらまず最初あの公園に行くのだと思う。
それなら多分その周囲に黄はいるはずだ。公園に向かってくれ。あいつ一人では心配なのだよ。
476.別世界のななし
え、ちょマジか!?
477.黒
わかりました。向かいます。
478.別世界のななし
えぇ、どうなってんの!?
479.別世界のななし
状況がよくわからん。
480.別世界のななし
えええええええええええええ(((( ;゚Д゚)))
481.別世界のななし
え、続々引っ張られちゃってる感じなのか!?
482.別世界のななし
皆黒達の知り合いか?
どうなってるのかさっぱりわかんないんだけど;;
483.緑
とりあえずスペックを上げておく。
緑=俺
・DK2、某球技部所属、鷹と現在同校同クラス、黒とは同中、おは朝占いは絶対、一日一缶お汁粉。
俺も全ての状況を把握できているわけではないが、一応今わかっていることを説明するのだよ。
下は空けておいてくれ。
484.緑
俺がこの状況に気付いたのは、黄からの電話だった。
黒、鷹、そして青、火と連絡がつかないと泣きついてきたのだよ。
今この4人+黄の携帯に電話をすると、常時通話中になっている状態だ。
そして多分だが、ゲームの中に引っ張りこまれた連中のスカイプアドレスを通じて、ゲームのダウンロードページへのURLが
散らばり始めている。
俺にも黒と鷹、そして先ほど黄から同じURLの貼られたメッセが届いた。
他の奴らはわからないが、黄は恐らく黒から届いたこのURLを開き、ゲームの中に引っ張り込まれたのだと思う。
ゲームの中に入った奴らに全員繋がりがあるのは、恐らくこのせいだ。
485.別世界のななし
マジか……。URLが散らばってるって、それ大変なんじゃないのか。
486.別世界のななし
緑のスペックに色々ツッコミたいのに、シリアスがそれを邪魔する……っ。
487.別世界のななし
とりあえずなんであんなに鷹がお汁粉推しだったのかの謎は解けた。
488.別世界のななし
>>487 同じく。
ならまだ公園の近くにいるだろう黄はともかく、青と火はどうなってるんだ。
489.別世界のななし
今コテが出てる奴らは、わかってる奴らだけだろ?
これもしかしたら、他に引き込まれちまってる奴らがいてもおかしくねぇよな……。
490.別世界のななし
これ拡散した方がいい?
今ヤバイURL広まってるから不用意に開けるなって。
491.別世界のななし
>>490 いや、変に話を広げると愉快犯が出てくる。
あんまり大きくしない方がいいと思う。
492.別世界のななし
俺も>>491と同意見だな。
493.別世界のななし
とりあえずここ見てる奴らはもうゲーム探したりすんな。どこで繋がっちまうかわからねぇぞ。
494.別世界のななし
え?これマジな話?釣りじゃねぇの?
495.別世界のななし
>>494 判断はご自分でどうぞ。
俺はコテ組が嘘ついてるとは思わねぇけどな。
496.別世界のななし
でも緑は周りの奴らに連絡しといた方がいいんじゃねぇか?
そこで塞き止めないと広がる一方だろ。
497.緑
あぁ、今部活の先輩に電話してこのスレを教えた。起きていてくれて助かった。
ROMっておくと言っていたが顔を出すかも知れない。
他のメンバーには連絡を回しておいてくれるそうなのだよ。
後これから同中の奴らに連絡を入れるつもりだ。
498.鷹
速報【黄発見!!】
499.別世界のななし
おk!……って、鷹!無事合流出来たのか!?
500.別世界のななし
黄発見ktkr!!
501.別世界のななし
黄は誰との知り合いなんだ?
502.黒
公園に向かっている際、こちらに向かって歩いていた黄君と合流出来ました。
黒「黄君!!」
黄「……!?く……黒っち?黒っちいいいいぃぃぃ!!!!」
と抱きついてきたので華麗に躱しました(ドヤァ)
503.別世界のななし
ドヤァwwwwww
504.別世界のななし
なんでそこでドヤるんだよwwwww抱きとめてやれよwwwww
505.別世界のななし
てか黒っちってなんだwwwwあだ名か?wwww
506.別世界のななし
なんか随分黒に懐いてる感じがするなwwwwwww
黄から漂うこのわんわんお臭なんぞwwwwww
507.鷹
黄は黒と緑ちゃんと同中だぜwwwww
同中→黒、緑、黄、青
火は黒と一緒の高校で、同じチームメイト。
同中の奴らは今の高校では全員バラバラねwwww
てか俺らのスカイプから危ないURL拡散されてるとかマジ止めて欲しい(;゚Д゚i|!)
緑ちゃん絶対URL開いちゃダメだからね!絶対だよ!!
508.別世界のななし
と、鷹が緑にフリを出していますがwwwwwww
509.鷹
フリじゃねぇよマジしばくぞてめぇ
510.別世界のななし
(((( ;゚Д゚)))
511.別世界のななし
(((( ;゚Д゚)))
512.別世界のななし
(((( ;゚Д゚)))
513.508
え、あ、ご、ごめ……(((( ;゚Д゚)))
514.別世界のななし
こ、こんなに怖い鷹初めて見たお……。
515.別世界のななし
み、緑は絶対入るな!絶対入るなよ!!
516.別世界のななし
そうだぞ!開いちゃダメだかんな!!
517.別世界のななし
決してフリじゃないんだかんな!いいか!フリじゃないぞ!!
518.別世界のななし
>>517 フリにしか見えなくなるからやめろしwwwww
519.鷹
緑ちゃんはうちの部のエースなの。
こんなわけわかんないことに巻き込むわけにはいかない。
緑ちゃん絶対こっちには来ないで。
520.別世界のななし
鷹……緑ちゃんのことすげぇ好きなんだなぁ。
521.別世界のななし
お前人の心配とかしてる場合じゃないのに……。
現在進行形でやばいのはお前達なんだぞ。
緑はそんな易々と危険に足つっ込むような奴じゃないだろ?
いいからお前達は自分の心配してろし。
522.緑
>>521の言う通りだ。
そんなわけのわからないゲームの中に入る気なんぞ毛頭ないし、ここでしか出来ないこともあるからな。
とりあえずお前達は関口君から逃げ切れ。必ず助ける。
523.別世界のななし
そうだぞ!俺達も知恵だすし!
524.別世界のななし
緑がすごくいいこと言ってる。
でもなんか関口君wwwwwwなんだろうこのそこはかとない台無し感wwwwww
525.別世界のななし
関口君wwwww
なんか気が抜けるわこの呼び名wwwww
526.黒
クソ騒いでいた鷹君がいきなり真顔で黙りこんですさまじい早さで指動かしてると思ったら……。
もう、あまり鷹君を怒らせないで下さい。
彼いつも笑ってるから普段そんなに思わないですが、真顔めちゃめちゃ怖いんですよ。
そして今は関口君にウケてまた笑ってます。だから煩いですってば。
黄君に一通りの説明は終わりました。
まだ若干混乱しているようですが、今の状況については一応の理解は示してくれました。
スレ板の場所教えたので、顔出すと思います。
527.別世界のななし
さっきからこの黒のwwwww辛辣さwwwwww
528.別世界のななし
スレ見てる分にも鷹は明るいやつって思ってたけど、やっぱ実際そうなんだなwwww
でも怒ったら怖いとwwwww
529.別世界のななし
鷹ってイケメンなん?
530.別世界のななし
鷹また関口君にウケてんのかwwww
さっきも笑ってたのにwwwww
531.別世界のななし
緑が言ったから余計面白かったんじゃないか?
なんかスレ見てる分だとすげぇ真面目そうな感じしたしなw
532.別世界のななし
あ、今の流れなら言える。
緑のあの語尾はなんなのwwwwwwww
533.別世界のななし
>>532 思ったwwwww
534.別世界のななし
>>532 なのだよってなんなのだよwwwww
535.別世界のななし
てかおは朝占い絶対、っていうのは何wwww
緑はおは朝信者なのwwwww
536.鷹
もう黒酷い!!
俺そんなに怖くないよーだ(ノ)'ε`(ヾ)
緑ちゃんのあの語尾は口癖なのだよ!!wwwww
可愛いっしょ?wwww緑ちゃんって呼んであげてねwwwwww
緑ちゃんはすっげぇおは朝信者で、毎日ラッキーアイテム持ち歩いてるのさwwwww
今日……てか昨日か、はマグカップだったからすげぇ楽だったよwwwww
537.別世界のななし
マグカップwwww
538.別世界のななし
鬼畜で有名なおは朝にしては優しいアイテムだったんだなwwwww
539.別世界のななし
マグカップってことは緑かに座かwwwww
540.別世界のななし
かに座この前狸の信楽焼とか出てたじゃんwwwww
あんなのどうやって持ち歩くのwwww
541.別世界のななし
んで今日は確か、今日の朝刊だっけ?
542.別世界のななし
俺はラッキーアイテム篠笛って書いてたんだけど、篠笛って何かわからないからとりあえずリコーダー持ってる。
543.別世界のななし
>>542 篠笛って何て読むの?
544.別世界のななし
>>543 ggrks
篠笛(しのぶえ)って言ってまぁ日本では一番目にすることが多い横笛だ。
普通に横笛とか竹笛とかで想像したのが正解だと思っていい。
歌舞伎とか日本舞踊にもよく使われてる。後祭りの時とかもな。
545.別世界のななし
>>544 ツンデレ説明乙
546.別世界のななし
>>544 おーなるほど。あれ篠笛っていうのか!
547.別世界のななし
>>542 じゃあお前リコーダーは違うだろwwwww
548.別世界のななし
>>547 いや、頑張って横に吹けばあるいは……。
549.別世界のななし
>>548 無理だろwwww
550.別世界のななし
>>548 無理やりすぐるwwwwww
551.黄
てすてす。ああああああああああ。
552.別世界のななし
お!
553.別世界のななし
黄か!
てかなんだよその書き込みはwwwwww
554.別世界のななし
黄はくろちゃん初めてな人かな?
555.黄
あ、書きこめてるっぽいっスね!
どうも!!黒っちの大親友の黄っス!!よろしくっε=(ノ゚∀゚)ノ キャー!!
556.別世界のななし
またなんかえらいチャラいのが来たなwwwww
557.別世界のななし
めっちゃチャラいwwww
558.別世界のななし
テンション高ぇなwwww
鷹もテンション高いがまた違った高さというかwwww
559.別世界のななし
黒の親友なのかwwwwなんかえらくタイプ違うっぽいけどwwww
560.黒
>>559 まぁ彼が勝手に言ってるだけですから。
とりあえず黄君の挨拶も済ませたので早速ポイントの所に向かうことにします。
青君と火君も気になりますが、無暗に歩き回って出会えると思えるほど狭い場所でもないですし……。
今はとにかく情報が欲しいので、手掛かりであるこのポイント回収を一番にやっていきたいと思います。
どうか無事でいてください、青君、火君……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
電話口から伝えられる今の状況に、思わず少年は黙り込んだ。
今まで大なり小なり、この年齢にしては様々な経験をしてきたと自負しているが、今回のような件については全く見聞き
したことがない。
いやアニメや漫画の世界ではよくある類の話ではあるが、それが実際に起こったなどとは……。
黙りこくった少年を訝しんだのか、電話口でそろりと名前を呼ばれる。
いけない、なんだかんだで心配性な彼を不安にさせてしまったようだ。少年は意識して「大丈夫だ」と声をかけた。
「ただあまりにも事例がない出来事だからね。僕としてもなんとも言えない」
『……そうか』
少年がようやっと立ち上がったパソコンに目を向けると、ポヨンポヨンと連続して新着メッセージのお知らせが飛び出てきていた。
常からログアウト状態にするようにしているにも関わらず飛び出したお知らせを開けば、案の定である。
かつてのチームメイト達の名前の横に、新着メッセージの印。
黒子、青峰、そして黄瀬と―――。
「……無事でいて欲しかったんだが」
少年は小さくため息をついてそう呟いた。
『どうした』
「どうやら敦もゲームの中のようだ」
少年の言葉に、電話口から息をのむ声が聞こえてきた。
4人のメッセージはパソコンを立ち上げてから一斉に届けられたようで、全てが同じ今の時間で表示されている。
残念だがそれぞれがどのタイミングでゲームの中に入ったのかという手掛かりにはならなかった。
『紫原もスカイプをやっていたのか』
「あぁ。と言ってもごく最近だけどね。先輩から使い方を習ったらしい」
つい一ヶ月ほど前のことだ。きっと紫原はまだ数名にしか自分のアカウントを教えていなかったのだろう。
どういう経緯でゲーム画面を開くことになったのかはわからないが、言えることは、これでまた一つ「道」が出来てしまったと
いうことだ。
『今黒子達のスレを送った。目を通してくれ』
そう言われると同時に、スカイプがポヨンと音を立てた。
新着のお知らせが着いている名前は、緑間真太郎と書かれている。
少年はそれを開くと、そこに貼られている長ったらしいURLをクリックした。
「ありがとう。とりあえず読みながら各学校の伝手に連絡を入れておく。それが終わったら僕もスレに上がるよ」
『あぁ頼む。うちの先輩達にはもう連絡済みだ』
「わかった。くれぐれも黒子達からのURLは開かないように」
『心配するな。バカな真似はしない』
最後に『頼んだぞ赤司』と告げて、その電話は切られた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あれからどのくらい歩いたのだろうか。
変な化け物を振り切った後、なんとなしに携帯を開いて見た時計は23時半を過ぎたぐらいだった。
こんな真昼間なのに23時ってどういうことだと一瞬思ったが、そう言えば自分達がこの世界に入って来たのは夜の23時を
過ぎたぐらいだったのだ。
ということは、きっと携帯の時計は現実の時間と代わりないと思って良いのだと思う。
「もう1時間ぐらいは歩いてるか?」
「それぐらいか?俺はもっと長く感じてんだけど……」
「でも多分それぐらいだと思うよ」
スマホを起動させた降旗が、「24時半」と呟いた。
どうやら現実の時間の進み方と体感速度は同じぐらいらしい。
ただいつまたあの化け物に逢うか、他に何が飛び出してくのかわからない中、一分一秒がいやに長く感じられるのも
事実だった。
だが1時間の間、何も起こらずただこうやって歩いていると、まるで少し田舎まで散歩に来たような錯覚に陥りそうだと思った。
特に火神は日本の田舎の風景というものを初めて見るのか、さっきから興味深げにあちこちを見まわしてきょろきょろと
落ち着きがない。
そして些細なことにびくついて短い悲鳴を上げるものだから一緒にいる2人としては心臓に悪いことこの上なかった。
「ただ風車が回っただけだろうが!ビビらすんじゃねぇよバ火神!!」
「し、仕方ねぇだろ!いきなり動き出すから驚いたんだよ!」
青峰と火神は先ほどからずっとこの調子である。
まぁ降旗にとっては2人がなんだかんだわいわいと騒いでくれてる方が気が紛れるので有難いと言えばそうなのだが。
未だ言い合いながら前を歩いて行く2人を宥めるのもいい加減慣れてきた。後黒子の苦労が少しだけわかった気もする。
「はいはい2人とも落ち着いて。で、どっちの道行くのがいいと思う?」
青峰と火神の間に割り込んで道の先を示すと、それは右と左の二手に分かれていた。
「えっと、あ……これ寺か?」
そして今歩いている道の突き当たりあったのは、どうやらお寺のようだった。
小ぶりで一見すると普通の住宅に見えないこともないが、それにしては作りが立派だ。
それにあの手前にあるのはきっと三門だろう。
「三門?ってなんだ?」
「あぁ、お寺の入り口のことだよ。神社には鳥居があるでしょ?それのお寺バージョンみたいな」
降旗の説明に、青峰と火神はふぅんと興味なさそうに相槌を打った。
駐車場の入り口に立てられた細長い石碑に何か文字が彫られているようだが、なんて書いてあるのか読めない。
けれど寺という文字が見受けられたので、やはりお寺なのだということがわかる。
「入る?」と降旗が聞くと、青峰と火神は同時に首を振った。
「……なんかありそう?」
ビクリと身を震わせて降旗が尋ねた。
なんせ直感に優れた二人が合わせたように同じく否と唱えたのだ。入ってはいけない何かを感じたのかと降旗が思えば。
「いや、俺堅苦しいとこ苦手だし」
「俺も」
―――ただ仏閣やなんだというお堅い様を思わせるようなところが好きでないだけのようだった。
降旗はなんだそれと拍子抜けしたが、まぁなんでもないに越したことないなと思いなおす。
じゃあ進もうと促せば2人はやはり示し合わせたように左側に進んだ。
先ほどから何回か分かれ道があったが、この2人は何を言うでもなく自然に同じ道を選ぶ。
偶然かどうかはわからなかったが、降旗にはやはり本能的に何かを察知しているのではないかと思えた。
まぁ、火神のビビりは置いておくとして、だが。
また歩き出した3人の視界から風車が遠ざかって行く。
カラカラと回る、その風車と共に咲いている植木鉢の花は、その花弁も葉もそよがせてはいなかった。
それに気付くことなく、3人は至って平和に道を進んでいく。
狭い道だった。恐らく車が一台、ギリギリ通れるか通れないかほどだろう。
左右にある古ぼけた建物が民家なのかそれとも倉庫なのか見分けがつかない。
3人はゆっくりと進めていた足を心持早くしてその道を真っ直ぐと突っ切った。
その道はあまり長くは続かず、すぐに開けたところへと出た。と言っても道が広くなるというわけではなく、左右が民家の塀
じゃなく田畑になったというだけだが。
開けたところでまた左へと伸びる道もあったが、青峰と火神はそのまま真っ直ぐと進んでいった。
ここは昔は山の中腹だったのだろうか。ところどころに見える民家は全て今いる場所よりも沈んだ所にあった。
「あ、ここ……」
少し大きな道が見えてきた時、火神が小さく呟いた。
青峰と降旗が首を傾げるのを見て「ここ見覚えねぇか?」と尋ねる。
「ここにか?」
「え、こんな道通った?」
2人が思い出せずに顔を見合わせた。
「多分通りに出たら思い出すんじゃねぇかな……」
そういう火神もあまり自信はなさそうだったが、けれどそれは火神の言う通りだった。
見えていた広めの道路は、あの化け物に追いかけられた時に無我夢中で下った道だった。
今いる場所から見て、3人は右から左へと駆け抜けたのだろう。
そう思うとやはり右の道を上って行く気にはどうしてもなれず、先ほども通った左の道を下ることにした。
「さっきは左に曲がったんだよな」
「じゃあ次は右に行ってみるか」
追いかけられていた時は上り坂だった右を避けたが、今回はそっちに向かってみることにした。
じゃあここを真っ直ぐ……と降旗が思っていると、前を歩いていた2人がふと右に逸れる。
「え、あれ?あの道曲がるんじゃないの?」
降旗はあそこを曲がるものだとばかり思っていたと、十字路を指差して言った。
「別にこっちでも向こうの道と混ざるだろ。それならこっちの方が近道じゃねぇか」
確かに、と降旗は思った。
今の彼らがどういった道順を辿ろうとしているか、どうやったらわかりやすく説明出来るだろうか。
……そう、直角三角形を思い浮かべて欲しい。
彼らが向かおうとしている点が、一番角度の鋭い部分だ。よく30度とかで出てくるような場所である。
今現在の彼らの立ち位置は、60度。で、後の90度があの十字路の曲がり角だ。
そしてその目的の30度の点と今の立ち位置を結ぶ真っ直ぐな線が、青峰と火神が進もうとしている道である。
因みに三角形の中は田んぼだ。少し掘り下げられた所にあるそれのおかげで、周りがすっきり見通せる。
「近道は、わかるんだけど……」
パッと見れば2人の言いたいことはわかった。
けれど降旗の足を躊躇させるものが、そこにはあるのだ。
「ここ、お墓だよ……?」
そう、その道は墓の中を突っ切る道だった。
この状況としては一目見て「いやここは避けよう」と誰しもが思うだろう道である。
しかしこの2人はビビりの癖に、このことに関しては何故降旗がそこまで嫌がるのかがまるでわかっていないようだった。
「墓っつっても、今昼だぜ?」
「幽霊が昼間に出るかよ」
降旗は絶句した。えらい持論もあったものである。
どうやら2人の中では何故か、「墓場の幽霊は夜にしか出ない」という考えであるらしかった。
どうしてそうなったのかこいつらの思考回路を覗いてみたいと本気で思う。
「ほらフリ、早く来いよ」
しかも2人は降旗の躊躇も気にせずさっさか先へと進んでしまった。
きっと自分が何を言っても聞く耳は持たないのだろうなと思い、降旗も諦めて後に続く。
斜面を削り段々にして作られているその墓地に、ここにいる霊達はさぞかし見晴らしがいいと思っているんだろうなぁと降旗は
半ば現実逃避に考えた。
墓地は綺麗に整備されているというわけではなかったが、そこまで荒れているようにも見られなかった。田舎の墓地、という
感じである。
ここでも火神はきょろきょろと辺りを見回して、あれはなんだ?と首を傾げていた。
降旗がどれだと声をかけると、火神は他の墓石よりも数段上に細長く作られているものを指差して、あの一角にある墓石だけ
何故あんなに長いのかと尋ねる。
「あぁ、あれは多分戦死した人達のお墓だよ。墓石の先が角錐になってるから」
「なんか意味あんの?」
「んー詳しいことは忘れちゃったけど、確かすっごく古い歴史があったはずだよ」
へぇ、と火神だけでなく青峰も降旗の説明になるほどなと頷く。
火神はその後も、あれこれと指しては降旗に色々と尋ねた。
聞けば、日本の墓地をここまでじっくり見るのは初めてらしい。昔先祖の墓参りも行った覚えはあるのだが、まだ小さすぎたせいか
余り記憶にないらしかった。
「なぁ、あれは?」
「あれは多分焼却炉じゃない?墓前に供えて枯れた花を、あそこで集めて焼くんだよきっと」
「んなもん勝手に焼いていいのかよ」
「都会じゃ普通はないかなぁ。まぁここは田舎だから、まだ野焼きとかもやってそうだし」
野焼きってなんだ?と聞いてくる火神に簡単に説明してやりながら、降旗は昔祖母に連れられて行ったお墓参りを思い出す。
母の一族の墓があるのも、こんな田舎町だった。
そう言えば前に黒子とこう言った話で盛り上がったことがあったな、と思い出す。
黒子も父方の祖母が地方にあるとかで、昔連れられて墓参りに行ったらしい。
降旗の説明に青峰も時々耳を傾けて口を挟みながら、3人は何事もなく墓の中を通り抜けたのだった。
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